初診の飼い主さんとお話をしていると、
脱毛症について「何が原因なんでしょうか?」「〇〇を食べていたのが悪いんでしょうか?」というように
脱毛を自分のせいではないかと思われてしまって責めてしまっている方が結構多いんですよね。
アロペシアXの中でも特にポメラニアンの脱毛に関しては遺伝的な要素が大きく、
危険因子を持っている子が何かのきっかけで突然発症する、みたいな感じではないかと思われますので
(兄弟間の発症の多さ、同じブリーダーからの発症の多さ)
オーガニックのごはんじゃなかったからとか愛情不足だったとかストレスがひどいからということはなく、
常識的な普通の暮らし方をしていれば、
飼い方のせいで発症するということはほぼないと思っていいと思います。
ものすごくきついサマーカットをした、とかだと脱毛のきっかけになることはありますが
そういう子はその時でなくてもほかのタイミングで遅かれ早かれ発症した可能性があります。
逆に言えば食事だけで治す、食が原因で治る、というのもほぼないと思います。
実は別の病気が隠れていてそちらを治療したら毛も生えた、なんてことは意外とありますが。
たまに長年脱毛に悩んでいた子が特にお薬を使ったわけでもなく突然生え出すこともありますが
お食事よりも季節などの要因のほうが大きいのではないかなと思います。
たいていの子が春先から夏にかけては調子がよくなりますので。
まだまだ分からないことの多い病態ではありますが、
多くの症例を診させていただいたことで経験はたくさん積むことができました。
色々アンテナを張って新しい治療法の情報なども積極的に取り入れつつ、
わんちゃんたちの体を第一に発毛のお手伝いができれば、と思っています。