当院の診察

自分の映りを優先して猫が不満げなのは二の次。

はじめまして。

獣医師の北林麻琴と申します。宮城県仙台市出身です。

私はこれまで3頭の犬、4頭の猫と暮らしてきています。

皮膚の弱い子、トレーニングが大変だった子、食に興味のない子、ストレスに弱い子と色々経験して、飼い主さんの不安についても理解できるのではないかと思います。

今はとても小さな動物病院のホームドクターをしていますが、

獣医師なりたての頃は母校である岩手大学農学部の附属病院に所属したり、

白石動物病院で勤務し、日本で初めての小動物がんセンターのある日本小動物医療センターの立ち上げスタッフとして尽力したりと獣医療の最先端で思い切り勉強をさせていただいていた時期もあります。

そのころは毎日が勉強でとてもとても充実していましたが、いつでも誰かが死にそうで、何とか命を助けようと必死な日々でちょっと疲れてしまったのも事実です。

今現在命と向き合い続ける二次診療の先生方のご尽力で我々ホームドクターが安心してお任せできるのでありがたいの一言なのですが、私がやりたいこととは?となったときに患者さんと飼い主さん一人一人にしっかり向き合う心のこもった獣医療を提供したいと思い、ひまわり動物病院を開業しました。

ひまわり動物病院では他の動物病院よりも診察時間を長めに取り、飼い主さんやワンちゃん猫ちゃんがどんなタイプなのかを見極めたうえでいろいろな選択肢を出せるような診察をしております。

たとえばがんになったとき。

抗ガン治療や手術や放射線治療など、積極的な治療によっていい結果になりそうな場合はおすすめしますが、

あまり良好な結果が得られていないタイプのがんであれば積極治療よりは体への負担が少ない治療法や

家で穏やかに過ごす方法も選択肢として提示し、そのお手伝いをいたします。

最高級の治療がかならずしもそのお家にとっての最善の治療になるとは限りません。

飼い主さんの後悔ができるだけないように、寄り添っていきたいと思っています。

アロペシアXとは

アロペシアXとは何なんでしょう。

和訳すると脱毛症X。

Xというのは「謎」の意味なので原因がよくわからない脱毛ということです。

病態としては毛周期停止症(毛の周期が止まって毛が生えない)でこれもそのまんまですね。

つまりは原因が謎の脱毛症ということなのでしょうが、

200症例以上しっかり治療するとすべてが謎というわけでもなく見えてくることはあります。

何頭かを治療して反応がよかったことをインスタやブログにあげていたら
あっという間に広がって症例数が増えたのですが、そもそもアロペシアXを知らない獣医師も多いですし
毛ヅヤが悪くなる、少しアンダーコートが減る程度の軽症の子だと気づかれないことも多いのです。

私自身、たくさんの症例をみてから軽症例でもすぐにわかるようになりましたが

これまで19年間臨床をそれなりにしていて、15年目までで実際に自分で見た症例が3例程度だったことを考えると意外と気づかずに見落としていたのではないかと思っています。

とりあえずアロペシアXの子あるあるとしては

  • 毛質がバサバサの固いものになり、ぬいぐるみやアクリルたわしのような感じになる
  • アンダーコートがなくなってからトップコートも抜ける
  • 小柄(2.5㎏以下が多い)でベビーフェイス。マズルが短いタヌキ顔が多い。
  • 色は白やクリーム、オレンジでも薄めのほうが管理がしにくい
  • 性格は穏やかで暗めな子が多い
  • 食事に興味がないタイプ、胃腸が弱い子が多い
  • 季節性があり、2月~の春先は調子がよく、9月後半の秋ごろから調子が悪くなる
  • 同腹の兄弟などでの発症も多いので、遺伝は関連しそう
  • 避妊去勢したほうが管理はしにくい
  • 皮膚には色素沈着が起こる例が多い
  • けがをした後、皮膚生検のあとなどから毛が生えることがある
  • 1割程度、部分的にしか反応しない子がいる
  • 年齢とともに生やす力は低くなる

のほかにもいろいろありますが、ざっとこんな感じです。

全部当てはまってます~という子もいれば、それほど当てはまらない子もいます。

獣医の皮膚科の教科書にすら「美容だけの問題なので治療しなくてよい」などと書かれてしまうものですが真剣に悩んでおられる飼い主さんはたくさんいらっしゃいますし、

「ポメラニアンのオフ会では必ずポメハゲの話になるんですよ!」と教えていただくこともあるくらいポメちゃんやプードルと暮らしている方にとっては気になるものですよね。

なかなか一種類の薬ですぐ簡単に治る、というものでもなければ

骨折などのように手術をしたらそれで完治、というものでもありません。

乾燥肌だったり膿皮症になりやすかったりいろいろ面倒くさいですし季節ごとの変化もありますし、

体質的に何度も繰り返す子もいるお付き合いの必要な病態と考えじっくりと二人三脚で治療に向かっていければと思っております。

ブログ症例報告やアロペシアXについてまとめていますので、そちらもご覧になってくださいね。