アロペシアX治療中のポメちゃんたちが、頼んでいないのに(ここ重要)
「かわいいから」「暑そうだから」「流行っているから」
の理由で短くサマーカットにされる例が今年続出しまして。
みなさん一度は調子を悪くしたものの
なんとか持ち直してくれたので一安心なのですが
一瞬血の気が引きましたよ。
間違いなく毛質はバサバサに低下しますし、場合によってはそこからがっつり脱毛が進んでしまうこともありますので。
飼い主さんと私とわんちゃんが協力し合って育てた畑を勝手に荒らすのはやめて~と言いたいのです。
もちろん、飼い主さんがどうしてもサマーカットにしたい!!とおっしゃる場合は
リスクを説明して理解してもらってからサマーカットにすることはあります。
サマーカットで豆柴風にするのがお気に入りのラフちゃん。
カットすると必ず毛は少しバサバサになりますし、
「いつもは生えてるけど今度もちゃんと生えるかはお約束できませんよ!」
と断ってからカットしています。
ラフちゃんは去勢していない男の子なので悪化のリスクはほかの子より低いからサマーカットをしている、というのもあります。
サマーカットの危険性、わかっていないトリマーさんは結構多いので
もし短く切ってバサバサになったことのある子は
「うちの子は短く切らないでください!」としっかり明言した方がいいと思います。
膿皮症の場合はメリットとデメリットを秤にかけて選ぶ感じになりますが
風通しを良くなって洗いやすくなることと、それきっかけで脱毛スイッチが入ってしまうこと、
どっちが大変か考えるとうーんというところですね。
困るのが、よくわかっていない家族が頼まれて連れてきて
(はじめてきて)皮膚がひどいので何とかしてほしい
膿皮症がかなりひどいので風通しのために短く切った方がいいと思います
おまかせします、お願いしまーす
で、超短髪に。
アロペシア治療中なのになんてことしたんですか!!
膿皮症対策をしてほしいといわれたので短く切ったのですが・・・
そんなことは言っていない
勝手に切ったんじゃないんですか(怒)!!!
この場合はカット料金はもちろん返還、お詫びのお金もそれなり(数万円)お渡ししたうえで
毛がきちんと生えそろうまでの治療費をサロンが負担する、というかなり大変なことになりました。
ちゃんと依頼されていてもこんな感じになったりします。
この場合はとても分かりやすくもめましたが、多くの場合は短く切られすぎたあと
毛の調子が悪くなったり脱毛が始まったりしたとき、飼い主さんは黙っていなくなります。
静かに怒ってうちのカルテに恨み言が長々とかかれたりするので
できる限り気を付けて施術をするべきかと思います。
当院で治療中の子の担当の方にも気を付けるべきことはお伝えしたいので、
とりあえずトリミングサロン、トリマーの皆様へというページは作りましたし、当院の患者さんにはプリントをお渡しするようにしています。
ちなみに、これはポメラニアンに限った話で、プードルではカット後に脱毛症になるということはほぼないです。
シングルコートだから、ということもあると思いますし、似たような症状ですが病態は結構違うのだと思っています。