こちらもいただいた質問で結構たくさん来た
◎◎で治療していますが、よくなりません、おうちでできるケアを教えてくださいというものにお答えしたものです。
私は脱毛症の治療法の一番はホルモン治療だと思っているので、まずはそれぞれに合ったホルモン治療をしてみるのが先ではないかと思いますが、おうちでできることでおすすめのケアをお知らせします。
ちょっとしたバサツキ程度の軽症の場合はサプリメントやスキンケアで季節によりかなりよくなったりはしますが、
地肌が見える中等症以上はホルモン治療必須だと思っていますので(しかもそれでも維持は大変)、
長期間治療しているけれどまったくよくならなくて悩んでいる場合はぜひ個別のオンライン相談を受けてみてくださいね。
ブラッシング
脱毛症を発症すると毛質が変化して絡まりやすくほぐしにくくなります。
朝ブラッシングしてもすぐもつれたりもします。
また、ブラッシングすると毛が抜けて怖くてブラッシングできない・・・という声もよく聞きます。
ブラッシングで抜ける毛はすでに死んでいる毛ですので、とってあげないと蒸れて皮膚病の原因になったりしますし、
新しく生える毛の邪魔をします。
定期的にブラッシングはするようにしましょうね。
嫌がってるからできません、という方がいらっしゃいますが、嫌がったからと言ってやめていると
嫌がればやめてもらえると犬は勘違いします。
羽交い絞めにして長時間無理やりブラッシングしろとはいいませんが、
褒めながら、おやつを使いながら短時間で嫌がる前にやめることを繰り返しつつ、
多少の抵抗は動じないという風にしてブラッシングに慣らし、健康を守ってあげてくださいね。
こんな感じに束になり、ブラッシングしてもすぐもつれてしまいますが、根元に残っている毛はすでに抜けて死んでいる毛なので除去してあげてくださいね。
保湿
脱毛症を発症した子たちは皮膚がとても乾燥しやすくなります。
保湿はしっかりしてあげてください。
できれば一日1回以上、シャンプーをしたとき乾かす前にも保湿をしてあげるとよいと思います。
保湿剤はいろいろあり、実際に肌の調子や脂の状態などを見ておすすめするのが一番なのですが
とりあえず誰にでも、ということであれば医薬品をおすすめします。
ヘパリン系のローションは泡のタイプもスプレーのタイプもあり、動物保険も効くので気軽に出せてありがたいです。
もちろんこちらも合わない子はまれにいますので、赤みが出たりするようなら使用を中止してくださいね。
食事
栄養バランスの良い食事を、ちょっと多めにとってもらいます。
痩せている子よりは少しふっくらしている子のほうが皮膚の状態もよく毛も生えやすくなります。
当院で処方をされている子にはビタミンや亜鉛など必要な栄養素はしっかりいれているので
総合栄養食であればどんなご飯を選んでもいいですよ、とお伝えしています。
ただし、ポメちゃんたちは心臓病や気管虚脱、膝蓋骨脱臼と体重が増えると問題な病気を持っていることが多いので
持病がある子はかかりつけの先生の指示に従ってくださいね。
シャンプー
脂の分泌に異常があってすぐに臭くなる、膿皮症の治療中などの特殊な事情がなければ
シャンプーは月一回程度で問題ないかと思います。
アロペシアXに対して洗ってはいけないと指導する病院もあるようですが、
私は皮膚は清潔に保たないと毛は生えない派だし不潔なのはいやなので
ちゃんと洗ってもらっていますが発毛率はとても高いので間違っていないのではないかなと思います。
おうちでシャンプーしたときのよくある失敗は
・ブラッシングが不十分な状態で濡らして毛がよりもつれて毛玉になる
・すすぎ不足でシャンプー剤が皮膚に残って皮膚病の原因になる
・生乾きで膿皮症などの原因になる
などがあります。
抵抗されて中途半端にやめてしまうなどしてしまう方は、プロに任せたほうがトラブルが少ないです。
夏の時期にプールで遊んでそのままにして膿皮症、というパターンもとても多いです。
濡らす前はブラッシングして、ドライヤーでの乾かしも念入りにしてあげてくださいね。
おうちで洗う方には泡で出るタイプのシャンプーをおススメしています。
膿皮症がある場合などは
どちらも泡切れがよく、おうちシャンプーでも失敗しにくいためおすすめしています。
シャンプー後、乾かすときがもっとも乾燥してしまうので、前後もしっかり保湿剤を使ってあげてくださいね。
脱毛症の治療中の子以外でも夏の時期はプールや川で遊んだ後に生乾きで皮膚病になる子が続出します。
レジャーの後もしっかり乾かしてあげてくださいね。