もう10年以上前のお話になりますが、
診察開始と同時に「うちの猫が外に出てしまって戻ってきていません、どうしたらいいでしょう?」
とお電話がかかってきました。
当時すでに20歳越えのおばあちゃん猫だったので、
行きそうなところ(軒下など)を探しつつ、早めにビラを作ったほうがいいですよ
女の子だし行動範囲はそれほど広くないので
できるだけ周囲の人に声をかけて、協力を頼んでみましょう
などとアドバイスして、昼休みの時間になったら捜索隊として協力しようかなと思っていたら
割とすぐ後に
「うちの庭の倉庫でくつろいでいる猫がいるんですが、どうしたらいいでしょうか?」
と別の飼い主さんからお電話が来たのでした。
「ひょっとして痩せ気味のサビ猫ちゃんでしょうか?」と特徴を聞いたところ
ばっちりビンゴだったのでした。
ふらりとお外に出て、人んちの庭でくつろいでいたルイちゃん。
すぐ保護してもらって念のため診察をして、ちょっと体は冷えていたのですが大きなトラブルはなさそうで
みんな一安心したのでした。
平成22年2月22日のちょっと特別な猫の日だったので、猫の神様がご褒美をくれたのかもしれません。
ルイちゃんは治療をしながら24歳まで長生きをしてくれました。
マイペースさが長生きの秘訣かな?
先日港区立郷土歴史館の「Life withねこ展」を見に行ったのですが
江戸時代では雌猫は10歳を超えるとしっぽが割れてしゃべりだす(いわゆる妖怪猫又)と考えられていたそうで
当時の犬や猫が10歳以上生きるのがどれだけまれなことだったのかが推察されますね。
人間もそうですが、長生きの要因で一番大きいのが栄養状態の改善と感染症のコントロールだと思います。
私が小学生くらいの30年以上前でも犬猫は10歳そこそこしか生きないと言われていて、
14歳半まで生きた愛犬リリーちゃん(柴系MIX)はだいぶ長生きだったと言われていました。
最近は特に猫の寿命がすごく伸びた印象で、15歳を超えることもそれほど珍しくなくなっています。
世界中猫又だらけになってしまいますね。
ちなみにうちの犬猫たちは上から19歳(♀猫)、18歳(♂猫)、17歳(♀プードル)、1歳(サイベリアン)×2で
3匹お年寄りがいると毎日尿とか嘔吐物の世話に追われていますが、
皆それなりにしゃっきりしていて食欲もありまだ普通に頑張りそうな雰囲気です。
10歳で猫又なら間もなく20歳のぴーにゃんは何になるんでしょう?楽しみです。